エースコンバット7は以前こちらでも取り上げていたが、Steam版はPS4版やXboxOne版と異なり定価が異常に高い上、過去作の特典が付かないためセール待ちの様子見をしていた。
発売後間もなく、AmazonやSteamのレビューは荒れに荒れ、シリーズ史上最悪のクソゲーとまで評されるようになった。
なかには、明らかにキャンペーンを最後までクリアしてないだろと思われるような初心者の見当違いのレビューまで掲載されている始末だ。
私は先日のSteamのセールでエースコンバット7を購入し、normalでキャンペーンを一通りクリアした。
hardで全ミッションSランククリアし直そうかとも思ったが、途中で面倒になってやめてしまった状態だ。
ここではその感想として、エースコンバット7は本当にクソゲーだったのか、真実のレビューを公開していきたいと思う。
エースコンバット7の良かった点
グラフィックが素晴らしい
最初の数ミッションをプレイしたとき、誰もが神ゲーを手にしたことを確信し、これからどんな素晴らしい空戦が展開されるのかわくわくすること間違いない。
何と言っても、グラフィックや雲、空の描写が素晴らしく、美しいステージを縦横無尽に飛びまわる爽快感は、これまでの過去作では味わえないものだ。
ミサイルが敵機に当たったときの鈍い爆発音が、爽快感をさらに倍増させる。
なぜこのゲームがクソゲーと呼ばれるのか?滅茶苦茶面白いじゃないか?と、おそらく多くの人が感じるのではないだろうか。
最初の数ステージは・・・。
個性ある機体や特殊兵装の数々
エースコンバット7には多くの機体・特殊兵装・パーツが存在し、ミッションの内容に合わせて編成を変える必要がある。
景色と同様、機体も丁寧に作り込まれており、戦闘機好きにはたまらないのではないかと思われる。
また、後述するように、今作では爆撃機も活躍する場面が多いため、それこそミッションに最適の編成をしっかり組んでいく必要があるのだ。
エースコンバット7の悪かった点
対地ミッションばかり
キャンペーンのミッションを半分も攻略する頃になると、過去作との違いや違和感が目立ち始める。
対地ミッションが異常に多いのだ。
これは、決して悪いことばかりではない。
過去作では戦闘機ばかりが目立ち、爆撃機は扱いづらいということで無視されることが多かった。
今作では特殊兵装に対地ミサイルが搭載可能で、ミサイルや特殊兵装の搭載量も多い爆撃機が大活躍することになる。
対地ミッションは、目標が動かないため、ミサイルを打てば当たってしまう。
そのため、墜落しないための操作テクニックや残弾数の管理、高スコア目標物へのターゲッティングなどが要求されるわけだが、やはりドッグファイトの面白さには及ばない。
確かに、対地ミッションはあってもいい。
しかし、同じくらい対空ミッションも用意してくれていればユーザーから文句は出なかったことだろう。
実際は、満足にストレスなくプレイできる対空ミッションがあまりに少ない点が問題なのだ。
意地悪なミッションの数々
よく本作は、難易度が高いと非難されている。
しかし、難易度が高いというだけで作品を非難するほど、プレイヤーたちは馬鹿ではない。
私の感想としては、このゲームは難しいわけではない。
キャンペーン攻略時間も、過去作に比べるとどちらかと言えば短かったように思われる。
問題は難易度ではなく、中盤から終盤にかけてのミッションが、ゲーム制作者たちがプレイヤーたちをからかってストレス解消しているんじゃないかと思うくらい、とことん意地が悪いのだ。
難しいのであれば、周回プレイして上手くなろうという気も起こるが、このゲームは周回プレイするモチベーションが全く起こらないのだ。
ターゲットに照準を合わせ、ようやくロックオン可能な距離に近づいたとき、タイミングよく雷や砂嵐が起こってロックオンができなくなる、なんていうのは序の口。
例えば、ミッション13のIRBM基地爆撃などは以下の通りひどいものだ。
・特殊兵装が恐ろしく使いにくい無誘導爆弾(爆撃指示)に固定される
・ターゲットに照準を合わせ続ける必要があるが、肝心のタイミングで突風が起こって照準をずらされる
・相当厳しめの時間制限
・敵戦闘機が残っているとロックオンされて撃墜されるので、ターゲット撃破に集中できない
・そのため、対地ミッションで時間制限も厳しいのに、対空戦もやらざるを得ない
・金稼ぎをせずにキャンペーンを進めていると、敵戦闘機は自機よりも遥かに高性能
・目標ターゲットは5つだが、画面には8つ表示されており、そのうち3個がダミー
・照準が合わせやすいよう、スピードが遅くて安定性の高い機体で前半のミッションをクリアしてしまうと、後半のミッションでIRBMに追いつけずに詰む
以上の通り、二重三重にも意地悪が重ねられており、高性能機で周回プレイすることすら嫌気が差してしまうことになる。
また、ゲーム中盤のイライラを晴らすべく、8AAMや8AGMをぶっ放してやろうと期待に胸を膨らませて高性能機を購入する。
そんなときに出てくるキャンペーンのミッションがこれ。
敵機と味方機がすべて黄色で表示されており、しばらく照準を合わせ続けると敵か味方か判別できるようになるという仕組みだ。
8AAMや8AGMをぶっ放そうものなら、敵味方お構いなしに破壊してしまうことになる。
無線では味方機を攻撃するなと罵声を浴びせられ、スコアも入らずひどい評価をくだされることになる。
高性能機を思う存分使う場面を用意してもらえないのだ。
ようやくこの苦行に耐えてミッションをクリアしても、次のミッションも当然のように黄色だらけ。
これはゲームとしてどうなのか?
この敵味方識別システムを面白いと思えるプレイヤーは、一万人中1人たりともいないんじゃないかとさえ思える。
流石にここまで来ると、ゲームプランナーの悪意をプレイヤーたちが感じ取るのも無理はないだろう。
容易に開放される隠し機体
エースコンバット6では、隠し機体を出現させるためにはキャンペーンをHARD以上で通しでクリアする必要があった。
隠し機体を解放すること自体がそこそこ難しく、その分機体の性能もぶっ壊れと呼ぶにふさわしかった。
今作の隠し機体は、キャンペーンを1周もすれば簡単に購入できてしまう。
その上、その機体は戦闘機なので、対地ミッションではほとんど役に立たない。
(おそらく、真のぶっ壊れはDLCで実装されるのだろう)
そのため、キャンペーンも1周攻略すればやる意味もなくなる。
また、上述の通り意地悪なミッションが多いため、キャンペーンを周回するモチベーションも起こらない。
味方との共闘感なし
今作では、恐ろしいほどに味方機が役に立たない。
エースコンバット6では、味方からの支援をゲージとして消費し、戦況に合わせて使用するシステムだった。
エースコンバット7では、味方機は何もせず、ただただプレイヤーに助けを求めてくるだけだ。
その他、よくあるエースコンバット7の不満点
敵機が無人機ばかり
敵機が無人機ばかりという非難をネット上ではよく目にするが、この点については私は特に気にならなかった。
そもそもゲームである以上、無人機であっても有人機であってもいずれもゲームのAIが操作しているものに過ぎないからだ。
フライトスティックが使えない
こちらはSteamのレビューでよくある不満点だ。
どうやらSteam版では以下の公式フライトスティックしか対応していないらしい。
こればっかりは従うより他ない。
もっとも、このゲームがフライトスティックを使ってまでやり込むゲームかどうかは疑問だが・・・。
別の使い方もあるようなので、Youtuberを目指す方は興味本位で対応コントローラーを買ってもよいのかもしれない。
ロックオンの切り替えの操作感が悪い
この意見もネット上では目立つが、私は全く気にならなかった。
むしろ、過去作からこのターゲティングだったような気がしてならない。
単にターゲットが多くなってターゲティングがしにくくなっているだけなのではないだろうか?
結局、エースコンバット7はクソゲーだったのか?
結局のところ、エースコンバット7はクソゲーだったのか?
クソゲーとまでは言えないものの、かなり残念なゲームだったと評価せざるを得ない。
グラフィック、機体など、素晴らしい素材を持っていながら、なぜ面白いゲームが作れなかったのか、つくづく残念に思う。
過去作のように、無数のターゲットを、時間をほとんど気にせず自由に飛び回って撃破していく。
そんな気分爽快な対空ミッションがもう少し用意されていれば、過去最高の神ゲーと評価されたこと間違いないだろう。
私の個人的な意見としては、セールで2000円前後になれば、購入してもそれなりに満足できるのではないかと思う。
おすすめはしにくいものの、最初の数ステージの感動は間違いないので、大安売りされた日には、手にとってみて欲しいゲームではある。